ばね指の手術で後遺症は残るの?
ここでは、「ばね指の手術で後遺症は残るのか」についてお話します。
ばね指の治療は保存療法、ステロイド注射、手術療法の3つがあります。
手術療法は一番完治の確立が高い治療法であることは確かであり、
進行してしまったり、繰り返すばね指には手術以外に治療法はありません。
しかし、注意していただきたいことは手術で必ず治すわけではないということです。
すべての病気に当てはまりますが、手術となれば多少のリスクは伴います。
そこで今回はばね指手術で起こりうる後遺症についてご紹介します。
正中神経損傷
まず、ばね指の手術は非常に難しい手術というわけではなく、
失敗や後遺症の残る可能性は比較的低いということです。
しかし、どんな手術にもリスクはつきものです。
ばね指の手術で起こりやすいと考えられる後遺症は指の痺れや知覚障害です。
これらがなぜ起こるかというと、手術中、
または麻酔の注射により正中神経を傷つけてしまったからです。
正中神経は肘の方から手首を通り、
親指側の手の半分の感覚や運動を支配している神経で、
ばね指の手術で切開する靭帯性腱鞘のすぐ隣を走っています。
この正中神経をメスや注射針で傷つけてしまうと、
その傷から先の神経に支配されている領域に麻痺や運動障害、
知覚障害を引き起こします。
時間はかかりますが自然に回復する場合と、
神経を完全に切ってしまうなど回復が期待できない場合は
神経の縫合手術、投薬による治療や、理学療法的なリハビリを行います。
手術の傷口のひきつれ
手術の切開跡がひきつれることを瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく)と呼びます。
指の関節部分にひきつれが起きると指の曲げ伸ばしが不自由になってしまいます。
普通の切り傷などでは、傷口は自然に元の状態に戻りますよね。
しかし、手術などで一定以上の深さまで切開すると、皮膚を縫い合わせたとしても、
閉じた皮膚は元の状態へ完全に戻らず、
皮膚の面積が以前に比べて小さくなることや弾力性を失ってしまうことがあります。
このために皮膚が突っ張ってうまく動かせないひきつれを生じます。
ひきつれがあまりにもひどい場合は、ひきつれた皮膚、
つまり足りない分の皮膚を自分の体の一部から移植する方法で治療します。